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兄弟が生前にたくさん贈与を受けている場合の相続分

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年12月28日

1 兄弟姉妹の相続分(原則)

そもそも、相続分について、兄弟であれば、原則としてその割合は均等です。

例えば、3兄弟で相続人が兄弟のみであれば、それぞれの相続分は3分の1ずつとなります。

もっとも、生前、亡くなった方が一部の兄弟に対して、たくさん贈与をしていた場合などの事情があった場合は、話が少し変わってきます。

具体的には、後にお話しする特別受益に当たるとして、その贈与の金額分、他の兄弟の相続分が増加することがあります。

2 兄弟姉妹が生前にたくさん贈与を受けていた場合の相続分

一部の兄弟姉妹が、亡くなった親の生前にお金をたくさんもらっていた場合などは、親から遺産の前渡しを受けていたと考えられるため、その分を相続分から引くことができます。

これが特別受益と呼ばれるものです。

⑴ 特別受益とは

相続人が被相続人から贈与を受けていたり、遺贈を受けていたりなどといった、特別に被相続人から利益を受けていることをいいます。

なお、遺贈とは、被相続人が遺言によって財産を渡すことをいいます。

もっとも、被相続人から相続人に対するすべての贈与や遺贈が特別受益に当たるわけではありません。

⑵ 特別受益に当たるか

まず、遺贈については、その目的を問わず、特別受益に当たります。

次に、贈与については、それが特別受益に当たるかは、ケースバイケースですが、目安としては、その贈与が「遺産の前渡しと評価できるか」で判断することとなります。

もっとも、特別受益と主張していくためには、親から兄弟に贈与があった事実を証明する必要があり、できるだけ証拠を集めていく必要があります。

⑶ 特別受益が認められた場合の具体的相続分

特別受益が認められた場合、相続財産に特別受益の額を加えた額が遺産分割の対象となる財産となります。

そして、この財産を法定相続分どおりに分けた後、特別受益を受けた相続人は、その法定相続分の額から特別受益を引いた額のみを相続することになります。

逆に、他の相続人は、特別受益分もらえる遺産の額が増えることとなります。

⑷ 具体例

例えば、被相続人が父で、相続人が長男と次男のみであり、父が長男に1000万円の贈与をし、父の遺産が1000万円だったという事例で考えてみます。

この場合、長男は1000万円の特別受益を受けたと考えられるため、長男が取得できる財産の額は、0円ということになります。

計算式は、以下のようになります。

1000万円(遺産)+1000万円(特別受益)=2000万円(遺産分割の対象となる財産額)

2000万円÷2=1000万円(本来のそれぞれの相続分)

長男の相続分 1000万円-1000万円(特別受益)=0円

次男の相続分 1000万円

3 専門家にご相談ください

兄弟が生前に両親からたくさん贈与を受けていた場合、それが特別受益に当たれば、その分、特別受益を受けた兄弟のもらえる遺産の額は減少します。

反対に、他の兄弟は、その分、遺産からもらえる額が増加することになります。

もっとも、いくらであれば特別受益に当たるのかといった問題や、特別受益に当たると主張するために、どのような証拠を集めなければならないかなど、特別受益を主張していくためには、豊富な専門的な知識、経験が必要となってきます。

そのため、兄弟が生前に両親からたくさん贈与を受けていた場合などは、一度、専門家へ相談に行くことをおすすめします。

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