相続のご相談から解決までにかかる時間
相続に関する問題を専門家に依頼した場合,相談から解決までにどれくらいの時間がかかるのかを気にされる方は多くいらっしゃいます。
ここでは,一般的な相談から解決までの流れを踏まえて,段階ごとにどのような手続き等が必要で,どのくらい時間がかかるのかについて,具体的にご説明いたします。
1 相続人調査
ご相談の結果,ご依頼いただけることになった場合には,まずは相続人の調査を開始します。
被相続人が本籍地の転籍を繰り返している場合などには,名古屋以外の自治体から戸籍の取寄せを行わなければならず,戸籍の取寄せに時間がかかります。
相続人の関係が複雑であれば,戸籍を揃えるだけで2か月以上の時間を要することもあります。
2 相続財産調査
戸籍の取寄せが完了し,相続人が確定する頃から,遺産の調査を始めます。
遺産の調査にあたっては,各自治体が発行する不動産の評価証明書や,金融機関の残高証明書,法務局が発行する全部事項証明書,公図などの各証明書を取り寄せます。
金融機関や自治体から証明書を取り寄せる際には,相続関係の証明のため,⑴で取り寄せた戸籍の一部を送付する必要もあります。
財産の権利関係が複雑である場合や把握していない不動産がある場合などには,調査が完了するまでに相当の時間を要することもあります。
3 遺産分割協議
上記の調査を経て,相手方との協議を開始します。
状況次第では,⑴,⑵の調査と並行して,判明している相手方との交渉を開始することもあります。
この,遺産分割協議にかかる時間は,事案によってまちまちです。
交渉次第では2~3か月でまとまることもありますし,元々当事者の関係がこじれている場合,事案の内容が複雑な場合などには,解決までに更に時間を要するケースもあります。
交渉のみでの解決が困難な場合には,調停申立を行うなど,裁判手続に移行することも検討する必要があります。
裁判手続に移行した場合には,調停申立から調停成立または審判確定までに年単位の時間を要することもあります。